2014年10月8日水曜日

皆既月食観測会 2014/10/08

本日は皆既月食観測会を実施しました。
食の最大が19:54と時間的にも観測しやすく、
天候にも恵まれたため、好条件な皆既月食となりました。

あいにく芥川高校では明後日から二学期中間考査ということもあり、
大々的に呼びかけての観望会は実施できませんでしたが、
残って試験勉強をしていた生徒や先生方も様子を見に来られ、
賑やかな皆既月食観測会となりました。

目に見えて月が欠けていく様子は、
その仕組みがわかっていても、やはり不思議なもの。
皆、口々に驚きの声をあげながら、月を眺めていました。

双眼鏡や望遠鏡も用意していたので、
いろいろな方法で月を見てもらうことが出来ました。
特に接眼レンズでのぞいた時に、視野いっぱいに月が見えるように
セッティングした反射望遠鏡では、影のラインが進んでいく様子を
克明に観察することができ、肉眼以上に変化の早さを実感出来ました。

部員たちは国立天文台の「皆既月食を観察しよう 2014」キャンペーンに
参加するために記録用紙を片手に、機材の調整や写真の撮影を行いました。

今回の写真はカメラ2台体制で撮影し、固定撮影と直焦点撮影を行いました。
固定撮影では月が動きながら変化していく様子をとらえ、後で比較明合成をして
1枚の写真に月の移動・変化の様子をおさめるのがねらい。
直焦点撮影は月の近くにある天王星を一緒に写真におさめるのがねらいです。
出来栄えのほどは、実際の写真をご覧ください。

<本日の写真>
















月が徐々に欠けていく。


















地球の影に入っても、月は真っ暗にはなりません。
一般に皆既月食の色は赤銅色と言われますが、
実際の色はその時の大気の状況などによって変化します。

















撮影中に偶然、月の前を飛行機が横切りました。

















直焦点法で撮影。右上の点が天王星。
天王星の実視等級は5.7等と暗い惑星ですが、
皆既中は50×7の双眼鏡でも確認できました。

2014年9月29日月曜日

月の撮影 2014/9/29

月曜日は定例活動日。今日は屋上に上がって白昼の月を撮影しました。
最初は青空の中での月探しから。

久々にカメラを使った撮影法の復習をしました。
撮影法は2つ、直焦点法と間接焦点法。

まずはフリップミラーから接眼レンズを差し込むスリーブを取り外し、
そこにカメラ取付用のTリング(カメラによって違う)をセット。
Tリングにレンズを取り外したカメラを取り付ければ準備完了。

ファインダーで月を導入した後、フリップミラーのもう一方につけた、
接眼レンズで月の位置を確認。カメラ側に切り替えてピントを調節。
レンズを外したカメラはピント調整ができないので、
望遠鏡の方でピントを調節して、撮影。

次に間接焦点法の確認。いったん望遠鏡をもとに戻します。
Tリングをカメラ接続用のアダプターにセットして、
アダプターをフリップミラーのスリーブにかぶせるようにして固定。
Tリングにカメラを接続すれば準備完了。

接眼レンズが間に入ったままなのでその分、
直焦点法よりも拡大した写真が撮れます。

ただし、拡大した分、明るさが減るのでシャッタースピードを遅くするか
感度を上げるかする必要があります。
シャッタースピードを遅くすることも、倍率を上げることも
ブレを大きくする要因になるので、ある程度以上に倍率を上げるには、
赤道儀のモータードライブを使う必要があります。

<本日の一枚>


2014年9月26日金曜日

ヘルクレス座は何処に?  2014/9/26

芥川高校天文部は今年度、折りをみて一般生徒も
参加可能な観望会を実施していますが、今回は通常の部内観望会です。
放課後、文化祭で使ったドームを部室内に再建。
その後、日が落ちるのを待ってから観望会に移りました。

まず望遠鏡に導入したのはアンタレスと火星。
どちらも赤い星として知られている星を二班に分かれて導入。
現在、この二つはとても接近していて視野5°以内におさまっています。

アンタレスはギリシャ語で「火星に対抗するもの」の意。
この二つが夜空に並ぶとその名の通りまるで赤さを競い合っているよう。

望遠鏡2台で同時にそれぞれを導入したので、順番に見比べてみました。
・火星は面積を持って見えるが、アンタレスは点状。
・火星は瞬かないが、アンタレスはちかちかと 瞬く。
・色は火星の赤はどちらかというとオレンジっぽく、
 アンタレスの方が赤のイメージに近い。

その後、土星やアルクトゥルスなどを導入して観察した後、
天文部内でカエルと呼ばれている星座を探すことに。
この星座、本当は有名な英雄なのですが、明るい星が少なく、
芥川周辺で見るのはなかなか大変です。

そこで道しるべになるのが、夏の大三角の一角こと座と
うしかい座のそばで輝くかんむり座。
かんむり座はα星のゲンマが2等星でその他はそれほど明るくありませんが、
形が整っていて双眼鏡で見ると本当に冠のようです。

この二つの星座の間にあるのが通称「カエル」ことヘルクレス座です。
この呼び名はある星図を見た部員がカエルに見えると言ったことから。
この方法ならヘルクレス座を直接探すのが難しい 明るい場所でも、
おおまかな位置をつかむことができます。

<本日の写真>
ドーム内に投影された夏の大三角















実際の空で撮った夏の大三角
望遠鏡に載せたカメラで撮影
ちょっと失敗してこと座が切れてしまっています
や座やいるか座も写っています







2014年9月22日月曜日

系外惑星に名前をつけよう 2014/9/22

月曜の定例活動、本日は今後の活動について。

当面の観測予定
9月26日(金)プラネタドーム再建と観望会
10月8日(水)皆既日食の観測

今後の定例活動は太陽系外惑星の命名に向けて。
現在、IAU(国際天文学連合)が系外惑星の命名ルールを整備し、
登録団体(一般の天文団体などもちろんクラブも可)による
命名キャンペーンが進行中。

芥川高校も団体登録を行い、系外惑星の名前の候補を提案しようと考えています。

2014年9月18日木曜日

文化祭当日の様子 2014/9/13


天文部出展「Astronomie アストロノミー」

学校各所にポスターも掲示済み、準備は万端。










出展教室前には望遠鏡や月と火星のペーパークラフト、
壁には天体写真と解説を展示。
前年度、外側の装飾まで手が回らず、
何をやっているのかわかりにくくなってしまった失敗点を改善。
時々、望遠鏡を興味深そうに覗き込んでいる人がいました。



入って右手の黒板には今年の活動で撮影した天体写真。
ほとんどは合宿中に撮影したものです。
こちらは口頭で解説するつもりで、解説を貼らなかったため、
写真にするとやや寂しい印象になってしまいました。










去年の夏、暑い中必至に無数の穴をあけて作った星図パネルも
再び活躍してくれました。
 

今年の主役は何といっても教室中央に陣取った
天文部手製のプラネタリウムドーム。
来場者のみなさんから驚きの声が上がっていました。










投影機は大人の科学シリーズの工作キット。
ドームに投影するとやや星像が広がりますが、
全天どころか地平線の下まで星が投影される様子は圧巻。
解説の最後には白い板を投影機に近づけて、
鮮明な星像も見ていただきました。












ドームの出入り口はこんな感じです。
反対側も開きます。投影の合間に両方をあけて換気。
密閉空間になるので換気・温度調整の対策は必須です。









出口側の黒板にホワイトボードシートを貼って、
感想コーナーを設けました。
たくさんの来場者から感想をいただけました。
プラネタリウムの解説が終わった後、
直接感想やお褒めの言葉をくださる来場者も多かったです。















プラネタリウムの解説は部員たちもまだまだ練習中、
初めての人前解説に緊張で失敗することもありましたが、
たくさんの人に、星空の美しさ、星にまつわる様々な話の面白さを
知ってもらうことができて、本当によかったです。

ご来場のみなさま、ありがとうございました。


2014年9月17日水曜日

大盛況の文化祭! 2014/09/13

文化祭公開日の朝、校内放送で文化祭の開始が宣言されました。
芥川高校天文部の出展は「Astronomie アストロノミー」

出展内容は
・プラネタリウム投影・解説
・星図パネル、天体写真、月と火星のペーパークラフトの展示

プラネタリウムの投影スケジュールは毎時0分と30分の2回。
初回投影は9時半を予定していました。

今回は準備段階で教室前を通る人たちがドームの大きさに驚いて、
教室をのぞき込んでいたので、
それなりに人が来るだろうと予想していましたが、
予想は完全に外れることに。

なんと開始予定時間前に沢山の来場者が。
その後も予想を上回る人の入り具合で、
0分、30分の投影(10分程度)の間にショートバージョンの投影を
挟んでの1時間4投影体制での上映となり、部員からはうれしい悲鳴が。


案内は部員が二人一組になって行い、夏の大三角形、天の川、
さそり座とオリオン座の逸話、北極星の見つけ方などを解説しました。
時々、顧問も案内役になってはくちょう座から天の川に沿って
南十字まで続く「銀河鉄道の夜」のお話や、
星の動き(地球の自転)と天の川(銀河系の中での位置)の話などをすると、
一緒に入って聞いていた部員が、少しずつ聞き覚えた話を解説に取り入れていて、
部員たちの成長も感じられた一日でした。

生徒、外部の来場者、教員、多くの人が天文部の案内で満天の星空を
見上げてくれました。実際に星を見たくなったという方や、
銀河鉄道の夜を読んでみたくなったという方も多数いて、
天文部としては大成功の文化祭となりました。

次回は会場内の様子を写真でお届けします。お楽しみに!

<本日の一枚>
ダンボールドーム。中は投影しやすいように白です。
底の円周は1080cm、机の上に載せると教室の天井近い高さがあります。






「中秋の名月」一般観望会 2014/09/08

先週末の文化祭に向けてあわただしい日々が続き、
更新が遅れていましたが芥川高校天文部主催で、
中秋の名月の一般観望会を実施しました。

今回は、文化祭準備期間で完全下校時刻の7時まで
学校に残っている生徒が多かったこともあり、
天文同好会発足以来最大の参加者となりました。
参加者は部外の生徒14名、教員2名の計16名でした。

日中はまだまだ暑い日があるものの、
真夏のような暑さは過ぎ去り、
日が暮れればすっかり秋めく今日この頃。
秋晴れの空には煌々と輝く月。

屋上には望遠鏡や対空双眼鏡を準備して、
部員たちがすでに月を導入済み。
早速、本日のメインの月を見てもらいました。
機材によって倍率も違うので、
月の色々な表情を見てもらうことができました。

クレーターまではっきり見えることや
月の明るさに驚きの声が上がっていました。

またこの日はちょうど南の空にさそり座のアンタレス、
火星、土星が横に並んでいたので、こちらも順番に見てもらいました。
アンタレスや火星の色、土星の輪っか。
どれもとても楽しんでもらえたようでした。

観望会も終盤になると、月や惑星も堪能し、
暗さに目が慣れてきたこともあって、屋上に横になって
天頂付近の星を眺めている生徒もちらほら。
ちょうど、夏の大三角が高く昇っていたので、
織姫と彦星の話をしてあげると、
耳を傾けながら熱心に星を見上げていました。

こういう機会が増えて、街中でも星が楽しめることを
もっと多くの人たちに知ってもらえれば、
そうして一人でも多くの人が夜空の小さな輝きに
目を向けるようになってくれればうれしいかぎりです。

<本日の一枚>
望遠鏡を通して携帯で撮影。
観望会でも多くの参加者が、
月の写真を撮っていました。


2014年9月4日木曜日

プラネタリウム 投影

ついにドーム製作は前日の組立作業を残すだけとなりました。
大きな作業は終わったものの、当日を迎えるまでにはまだやることが、
たくさん残っている状態です。

去年よりひとまわり成長した天文部の姿を披露できるよう頑張ります。
一般公開(要・招待券)は9月13日(土)。

連日、製作作業が続いていましたが、昨日はプラネタリウムの投影を行い、
実際どんなふう見えるのかを部員全員で確認しました。

部屋の中が完全には暗くならなかったので、当日よりは明るい中での
投影になりましたが、部屋中に星をばらまいたような光景に、
感嘆の声が上がりました。

ピンホール式なので投影機から距離があると星像が広がってしまいますが、
それでも一面に無数の星がきらめく様子は一見の価値あり。
試しに白い板を投影機のすぐそばまで近づけてみると、
星像がシャープになり、息を呑むような星空が。
当日の投影でも白い板を持ち込んでおこうかという話も出ています。

<本日の一枚>
スマホでもこんな写真が撮れました。


2014年9月1日月曜日

星の一生 始まりと終わり

合宿記録 その5

今回は、合宿両日を通して撮れたハイライト写真をご紹介。


画面中央、ペルセウス座の二重星団h-x(エイチ・カイ)。
ペルセウス座の有名な散開星団。
その存在は古くから知られており、
古代ギリシアの天文学者ヒッパルコスによって記録されています。

散開星団は同じ分子雲から生まれた若い星の集団で、
高温で明るい星を多く含んでいます。



画面中央やや左のぼやっとした星雲がM27亜鈴状星雲。
鉄アレイによく似た見た目からこの呼び名がある惑星状星雲。

先ほどの散開星団とはうってかわって、惑星状星雲は星の最後の姿。
星の一生は質量によって変わりますが、
太陽ほどの大きさの星は外側のガスを噴き出し、惑星状星雲となります。
その後、ガスがなくなると中心部が残って白色矮星となります。




次は、すでにご紹介したアンドロメダ銀河。
この銀河は約230万光年も離れた場所に位置する渦巻銀河ですが、
アンドロメダ銀河と私たちの地球がある天の川銀河は徐々に
接近しており約40億年後には衝突し、徐々に融合していくといわれています。



最後にご紹介するのは、ジャック彗星。
合宿のしめくくりは、ソラの旅人、彗星との出会いでした。
合宿の時には明け方のぎょしゃ座に見えたジャック彗星は、
現在、ケフェウス座のあたりにあります。










 













2014年8月28日木曜日

ドーム制作進捗状況

ここ数回の活動はひたすらダンボールドームのパーツ切り出し。
寸法通りに図面を引いて、切る。
単純な作業ながらも、細かなずれに苦戦しながら、進めてきました。
そしてついにドームの全パーツの切り出しが終了。

上部パーツは両面、クラフトのダンボールなので、
投影面になる内側を水性ペンキで白に重ね塗り。
12枚あるパーツをぴったりとくっつくように慎重にテープで固定。
内側も白のテープで補強して、ドーム上部がついに完成!

<data>
上部パーツ…3mm厚、両面クラフトの板ダンボール使用
下部パーツ…5mm厚、片面白色板ダンボール使用

<本日の一枚>

2014年8月14日木曜日

ペルセウス座流星群終夜観測 2014/7/13

本校屋上にて終夜観測を実施しました。
去年のペルセウス座流星群は好条件に恵まれましたが、
今年は観測開始の8時ころからすでに雲が多く、
あまり星座も確認できない状態でした。

雲の隙間から、こと座やわし座が見え隠れ。
本来なら、流星観測の大敵なはずの月でさえ、
その姿が見えると、にわかに盛り上がり、
望遠鏡や双眼鏡を向けるのでした。

深夜になっても雲は晴れず、
シートをひいた屋上に仰向けになり、
見上げた空は雲の流れが見えるばかり。

結局、朝まで流星群が見えるほどの晴れ間はなく、
終夜観測のかいなく、流星を見ることはできませんでしたが、
時にはこういうこともあるもの。

見えないからこそ、見たいと願い、
こういう時があるからこそ、星のきらめく夜に、
一層その輝きが美しく見えるのでしょう。

<本日の一枚>

2014年8月12日火曜日

ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう【比較編】

7月21日から26日にかけて行われたひので衛星の共同観測期間に
芥川高校天文部も黒点の観測を行いました。
当日の様子は「ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう 2014/7/24」で紹介しています。

7月24日に行った観測で撮影した太陽の画像は、
「7月24日の黒点観測追加情報」にアップしてあります。

合宿をはさんでしばらく期間があいてしまいましたが、
本日の活動でひので衛星のX線画像と芥川高校天文部の黒点写真の比較を行いました。

まずひので衛星のX線画像がこちら。
 













X線(ひので/X線望遠鏡)『国立天文台/JAXA 提供』


次に芥川高校天文部の黒点写真がこちら。
07/24/14/14:05 撮影。














今回はPhotoshop touchを利用して、70%程度に透過した黒点写真を
ひので衛星のX線画像に重ねる方法で2つの画像を比較しました。

まず2つの写真をそれぞれ別のレイヤーに読み込み、
黒点写真の背景部分を選択削除。
黒点写真の透過率を70%にして、下層レイヤーのX線画像が見えるように。
この状態で太陽の大きさをそろえて、黒点写真を回転させて、
向きを揃えます。最後に、黒点写真の見え方を微調整して終了。

初めて使うツールだったので本日参加していた部員がそれぞれ、
操作を練習して、最終的にできたのがこちらの画像。
 
<この画像から読み取れたこと>
X線画像で一番大きな反応が見られる部分は黒点写真の最大の黒点と一致。
その下に2つも黒点写真の黒点群との一致が見られる。
X線画像中央部の黒い部分は黒点写真では特に変化なし。
X線画像では右下に2つ大きな反応が見られるが、
黒点写真で判別できる黒点は1つだけ。外側のものと場所は一致している。
全体として、黒点写真はひので衛星の画像よりも1時間ほど遅れて撮影しているので、
その分、東から西への移動が見られる。


最後に基本に立ち返って、黒点相対数を計算。















黒点群4、黒点数(左上から4、3、2、1、計10)
黒点相対数R=k(4*10+10)=50


これにて本日の活動終了。
芥川高校天文部の活動は観測というよりは観望会よりなことが多いので、
こうした活動に参加することで少しずつスキルを高めていければと思います。









2014年8月11日月曜日

そして夜は明ける

合宿記録 その4

春の星座のうしかい座から冬のおうし座まで、
一晩で季節を一巡りした合宿一日目もいよいよ夜明け。
少しずつ青みを帯びていく空。
冬の星座の代表格オリオン座も姿を見せ始めます。









冬の狩人はまだ微睡の中、横になった姿で現れます。
写真真ん中あたりに縦に並ぶ三つ星が特徴的。









おうし座を縦断する人工衛星。
左上にはすばる、左下にはヒアデス星団も見えます。
人工衛星は飛行機のようにそれ自体が光を放っているわけではなく、
太陽の光を反射して輝くので、日没後や日の出前に見えます。


 
最後に登場したのが明けの明星こと金星。
地球よりも内側を公転する内惑星の金星は、
明け方か夕刻のみ見ることができます。
これからしばらくは夜明け前の東の空に現れます。

天文部の長い夜もこれにて終幕。
朝日が差してくる中、機材を撤収し、
太陽の目覚めと交代に眠りへと。






2014年8月10日日曜日

巡りゆくソラ

合宿記録 その3

夜空をずっと見上げていると、一足早く次の季節の星座に逢えます。
天頂に白鳥が羽ばたくころ、東の空にはペガススやアンドロメダの姿が。
秋の星空が一足早くやってきます。










アンドロメダ座といえば、M31ことアンドロメダ銀河。
写真中央部に写っている中心が明るく、
周りが少しぼやっとしているのが、アンドロメダ銀河です。
地球から約230万光年の距離に位置し、およそ1兆個の恒星からなる銀河。
つまり今、私たちがこうして見上げているあの光は230万年も昔のもの。
そう思うと、夜空を見上げるというのは壮大な時間の旅なのかもしれません。


一時間もすると冬の星座も顔を出し始めます。
写真の中央下部に見える星の集まりはおうし座のM45プレアデス星団。
清少納言の枕草子に「星はすばる」と書かれているのがこの星々です。
すばるとは「統ばる(=集まって1つになる)」から来ており、
その姿をよく表した名前です。












3時頃になるとぎょしゃ座も全体が見えてきます。
左上の明るい星がぎょしゃ座の一等星カペラ。
場所が分かっていないとわかりづらいのですが、
今、話題のジャック彗星も写っています。

上下の位置はカペラと同じくらいの高さ、
左右の位置は写真中央と右上の明るい星の間くらい。
写真を拡大表示して見ると、周りの星とは違う薄緑色をした
ジャック彗星が写っています。





2014年8月8日金曜日

7/31-8/1 流星

合宿記録 流星編


20:15 アルタイル
20:32 こぐま座
20:36 北斗七星
21:16 ケフェウス方面、南から北へ
21:18 北からベガへ
21:29 ヘルクレス座
22:18 はくちょう座ε
22:44 アルタイル南東
22:47 デネブあたり
23:15 アルビレオあたりアルタイルの方へ
23:18 デネブからアルビレオ方面、かなり明るい
23:21 はくちょう座、十字中央、アルビレオ方向
23:22 デネブあたり
23:25 デネブからアルタイル
23:29 はくちょう座
23:32 ペガスス座からカシオペヤ座
23:47 アルタイルからベガ
0:02 南側
0:06 はくちょうの西の翼、明るさ1等級相当
0:08 大三角の中、アルタイルからベガ方向
0:29 ペガスス座からカシオペヤ座、1等級相当
0:33 アンドロメダ座βからペガスス座γ方向
0:43 こぐま座
0:52 アルタイルのそば南から北へ
0:53 ペガスス座
1:51 ペガススの四辺形
1:54 ペガスス座、頭のあたり西から東へ
1:56 カシオペヤ
1:58 <本日の一枚>
2:00 ペガスス座の頭あたり
2:23 アンドロメダからペガスス座
2:28 デネブからペガスス座
2:33 ペガスス座
2:35 プレアデスからヒアデス
2:47 ペルセウス座

<本日の一枚>
1:58、流星が写りました。
よーく見ると写っているのがわかります。


23:25 

2014年8月6日水曜日

夜空の広さを感じて

合宿記録 その2

座って夜空を見上げる人、
望遠鏡をのぞきこんで遠い星の光を見つめる人、
仰向けになって夜空を眺める人。
みな、思い思いに夜の帳が下りた空を仰ぎ見る。

北には水をすくうように傾いた北斗七星。
東にははくちょう座が高く上り、
天頂近くまで昇ったこと座と天の川の対岸のわし座とともに
夜空に夏の大三角を描き出す。
西には仕事を終えて眠りつこうとするうしかい座。

夜空を見上げて天球に散りばめられた星々をつないでいく。
その営みは人類が遥か昔から繰り返してきたこと。
今から数千年も前にメソポタミアの羊飼いたちが同じように、
星々を見つめ、星と星を結び、星座を作ったという。
うしかい座はそんな星座の1つだという説もあるらしい。

夏の夜空の道しるべ、夏の大三角。それを織りなす一等星、
こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ。
それぞれの星座を形作る星々を辿っていく。
そうして星を眺めていると時折、夜空を駆け抜ける光が。
そのたびに、星を見上げる部員たちから歓声があがるのでした。

<本日の写真>
こと座。一番明るい星がベガ。
ベガの上に見える星はこと座ε(イプシロン)。
この星は写真でもわかる二重星。
でも望遠鏡で見るとそれぞれが二重星になっています。
呼び名はこと座の「ダブル・ダブル・スター」。









上に見える明るい星がベガ。
左下がデネブ、右下がアルタイル。
二日目に撮影した夏の大三角。

2014年8月5日火曜日

7月24日の黒点観測追加情報

「ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう2014」の
共同観測期間のデータが公開されています。
http://hinode.nao.ac.jp/user/yaji/hinode/issho/#contact

芥川高校天文部は同期間中7月24日に黒点の写真撮影を実施しました。
当日の活動記録に撮影写真を1枚アップしましたが、
追加でいくつかアップしておきます。

<直焦点撮影>















同じく直焦点撮影。余白を除いてトリミング。













<間接焦点撮影>
一番目立つ黒点の辺りを撮影。




2014年8月4日月曜日

晴れぬ雲はないと信じて

合宿記録 その1

芥川高校天文部は7月30日から2泊3日の初合宿を実施しました。
27日に新月になったばかりで、月明かりの影響が少なく、
8月のペルセウス座流星群に比べると知名度は劣るものの、
2つの流星群が極大を迎えるということでこの日取りにしました。

この時期なら梅雨もあけて、京都とはいえ、いつもの市内の光害に
さらされる学校よりは暗い空の下で、星を見ることができるはず。
…そのはずだったのですが、到着してみると現地は曇り空。

とはいえ、天色は移りゆくもの。あきらめずに観測場所を下見に。
いくつかある広場を回って、周囲の視界、光源、足場などを確認。
その途中、ついにぽつり、ぽつりと。

一度、テントに戻り、機材の準備をして、入浴と夕食のため管理棟へ。
食事を終え、観測の打ち合わせを終えるころには雨はすっかり上がり、
雲も晴れ間が見え始めていました。

暗くなりきらないうちに機材を運び、観測の体制を整えるために移動開始。
広場にレジャーシートを広げ、双眼鏡やカメラ、小型望遠鏡をセッティング。
観測を始めるころにはまだ雲が広がっていましたが、
晴れ間から星座を探しているうちに次第に、全天の様子が見えるように。
合宿の長い夜はまだまだ始まったばかり、
あちこちに見え始めた星々に心が弾むのでした。

<本日の写真>

雲がかかった夏の大三角









しばらくすると空が晴れてきて。

沈みゆくうしかい座とかんむり座。
木々の間に隠れる寸前の明るい星がアルクトゥールス。