2014年9月29日月曜日

月の撮影 2014/9/29

月曜日は定例活動日。今日は屋上に上がって白昼の月を撮影しました。
最初は青空の中での月探しから。

久々にカメラを使った撮影法の復習をしました。
撮影法は2つ、直焦点法と間接焦点法。

まずはフリップミラーから接眼レンズを差し込むスリーブを取り外し、
そこにカメラ取付用のTリング(カメラによって違う)をセット。
Tリングにレンズを取り外したカメラを取り付ければ準備完了。

ファインダーで月を導入した後、フリップミラーのもう一方につけた、
接眼レンズで月の位置を確認。カメラ側に切り替えてピントを調節。
レンズを外したカメラはピント調整ができないので、
望遠鏡の方でピントを調節して、撮影。

次に間接焦点法の確認。いったん望遠鏡をもとに戻します。
Tリングをカメラ接続用のアダプターにセットして、
アダプターをフリップミラーのスリーブにかぶせるようにして固定。
Tリングにカメラを接続すれば準備完了。

接眼レンズが間に入ったままなのでその分、
直焦点法よりも拡大した写真が撮れます。

ただし、拡大した分、明るさが減るのでシャッタースピードを遅くするか
感度を上げるかする必要があります。
シャッタースピードを遅くすることも、倍率を上げることも
ブレを大きくする要因になるので、ある程度以上に倍率を上げるには、
赤道儀のモータードライブを使う必要があります。

<本日の一枚>


2014年9月26日金曜日

ヘルクレス座は何処に?  2014/9/26

芥川高校天文部は今年度、折りをみて一般生徒も
参加可能な観望会を実施していますが、今回は通常の部内観望会です。
放課後、文化祭で使ったドームを部室内に再建。
その後、日が落ちるのを待ってから観望会に移りました。

まず望遠鏡に導入したのはアンタレスと火星。
どちらも赤い星として知られている星を二班に分かれて導入。
現在、この二つはとても接近していて視野5°以内におさまっています。

アンタレスはギリシャ語で「火星に対抗するもの」の意。
この二つが夜空に並ぶとその名の通りまるで赤さを競い合っているよう。

望遠鏡2台で同時にそれぞれを導入したので、順番に見比べてみました。
・火星は面積を持って見えるが、アンタレスは点状。
・火星は瞬かないが、アンタレスはちかちかと 瞬く。
・色は火星の赤はどちらかというとオレンジっぽく、
 アンタレスの方が赤のイメージに近い。

その後、土星やアルクトゥルスなどを導入して観察した後、
天文部内でカエルと呼ばれている星座を探すことに。
この星座、本当は有名な英雄なのですが、明るい星が少なく、
芥川周辺で見るのはなかなか大変です。

そこで道しるべになるのが、夏の大三角の一角こと座と
うしかい座のそばで輝くかんむり座。
かんむり座はα星のゲンマが2等星でその他はそれほど明るくありませんが、
形が整っていて双眼鏡で見ると本当に冠のようです。

この二つの星座の間にあるのが通称「カエル」ことヘルクレス座です。
この呼び名はある星図を見た部員がカエルに見えると言ったことから。
この方法ならヘルクレス座を直接探すのが難しい 明るい場所でも、
おおまかな位置をつかむことができます。

<本日の写真>
ドーム内に投影された夏の大三角















実際の空で撮った夏の大三角
望遠鏡に載せたカメラで撮影
ちょっと失敗してこと座が切れてしまっています
や座やいるか座も写っています







2014年9月22日月曜日

系外惑星に名前をつけよう 2014/9/22

月曜の定例活動、本日は今後の活動について。

当面の観測予定
9月26日(金)プラネタドーム再建と観望会
10月8日(水)皆既日食の観測

今後の定例活動は太陽系外惑星の命名に向けて。
現在、IAU(国際天文学連合)が系外惑星の命名ルールを整備し、
登録団体(一般の天文団体などもちろんクラブも可)による
命名キャンペーンが進行中。

芥川高校も団体登録を行い、系外惑星の名前の候補を提案しようと考えています。

2014年9月18日木曜日

文化祭当日の様子 2014/9/13


天文部出展「Astronomie アストロノミー」

学校各所にポスターも掲示済み、準備は万端。










出展教室前には望遠鏡や月と火星のペーパークラフト、
壁には天体写真と解説を展示。
前年度、外側の装飾まで手が回らず、
何をやっているのかわかりにくくなってしまった失敗点を改善。
時々、望遠鏡を興味深そうに覗き込んでいる人がいました。



入って右手の黒板には今年の活動で撮影した天体写真。
ほとんどは合宿中に撮影したものです。
こちらは口頭で解説するつもりで、解説を貼らなかったため、
写真にするとやや寂しい印象になってしまいました。










去年の夏、暑い中必至に無数の穴をあけて作った星図パネルも
再び活躍してくれました。
 

今年の主役は何といっても教室中央に陣取った
天文部手製のプラネタリウムドーム。
来場者のみなさんから驚きの声が上がっていました。










投影機は大人の科学シリーズの工作キット。
ドームに投影するとやや星像が広がりますが、
全天どころか地平線の下まで星が投影される様子は圧巻。
解説の最後には白い板を投影機に近づけて、
鮮明な星像も見ていただきました。












ドームの出入り口はこんな感じです。
反対側も開きます。投影の合間に両方をあけて換気。
密閉空間になるので換気・温度調整の対策は必須です。









出口側の黒板にホワイトボードシートを貼って、
感想コーナーを設けました。
たくさんの来場者から感想をいただけました。
プラネタリウムの解説が終わった後、
直接感想やお褒めの言葉をくださる来場者も多かったです。















プラネタリウムの解説は部員たちもまだまだ練習中、
初めての人前解説に緊張で失敗することもありましたが、
たくさんの人に、星空の美しさ、星にまつわる様々な話の面白さを
知ってもらうことができて、本当によかったです。

ご来場のみなさま、ありがとうございました。


2014年9月17日水曜日

大盛況の文化祭! 2014/09/13

文化祭公開日の朝、校内放送で文化祭の開始が宣言されました。
芥川高校天文部の出展は「Astronomie アストロノミー」

出展内容は
・プラネタリウム投影・解説
・星図パネル、天体写真、月と火星のペーパークラフトの展示

プラネタリウムの投影スケジュールは毎時0分と30分の2回。
初回投影は9時半を予定していました。

今回は準備段階で教室前を通る人たちがドームの大きさに驚いて、
教室をのぞき込んでいたので、
それなりに人が来るだろうと予想していましたが、
予想は完全に外れることに。

なんと開始予定時間前に沢山の来場者が。
その後も予想を上回る人の入り具合で、
0分、30分の投影(10分程度)の間にショートバージョンの投影を
挟んでの1時間4投影体制での上映となり、部員からはうれしい悲鳴が。


案内は部員が二人一組になって行い、夏の大三角形、天の川、
さそり座とオリオン座の逸話、北極星の見つけ方などを解説しました。
時々、顧問も案内役になってはくちょう座から天の川に沿って
南十字まで続く「銀河鉄道の夜」のお話や、
星の動き(地球の自転)と天の川(銀河系の中での位置)の話などをすると、
一緒に入って聞いていた部員が、少しずつ聞き覚えた話を解説に取り入れていて、
部員たちの成長も感じられた一日でした。

生徒、外部の来場者、教員、多くの人が天文部の案内で満天の星空を
見上げてくれました。実際に星を見たくなったという方や、
銀河鉄道の夜を読んでみたくなったという方も多数いて、
天文部としては大成功の文化祭となりました。

次回は会場内の様子を写真でお届けします。お楽しみに!

<本日の一枚>
ダンボールドーム。中は投影しやすいように白です。
底の円周は1080cm、机の上に載せると教室の天井近い高さがあります。






「中秋の名月」一般観望会 2014/09/08

先週末の文化祭に向けてあわただしい日々が続き、
更新が遅れていましたが芥川高校天文部主催で、
中秋の名月の一般観望会を実施しました。

今回は、文化祭準備期間で完全下校時刻の7時まで
学校に残っている生徒が多かったこともあり、
天文同好会発足以来最大の参加者となりました。
参加者は部外の生徒14名、教員2名の計16名でした。

日中はまだまだ暑い日があるものの、
真夏のような暑さは過ぎ去り、
日が暮れればすっかり秋めく今日この頃。
秋晴れの空には煌々と輝く月。

屋上には望遠鏡や対空双眼鏡を準備して、
部員たちがすでに月を導入済み。
早速、本日のメインの月を見てもらいました。
機材によって倍率も違うので、
月の色々な表情を見てもらうことができました。

クレーターまではっきり見えることや
月の明るさに驚きの声が上がっていました。

またこの日はちょうど南の空にさそり座のアンタレス、
火星、土星が横に並んでいたので、こちらも順番に見てもらいました。
アンタレスや火星の色、土星の輪っか。
どれもとても楽しんでもらえたようでした。

観望会も終盤になると、月や惑星も堪能し、
暗さに目が慣れてきたこともあって、屋上に横になって
天頂付近の星を眺めている生徒もちらほら。
ちょうど、夏の大三角が高く昇っていたので、
織姫と彦星の話をしてあげると、
耳を傾けながら熱心に星を見上げていました。

こういう機会が増えて、街中でも星が楽しめることを
もっと多くの人たちに知ってもらえれば、
そうして一人でも多くの人が夜空の小さな輝きに
目を向けるようになってくれればうれしいかぎりです。

<本日の一枚>
望遠鏡を通して携帯で撮影。
観望会でも多くの参加者が、
月の写真を撮っていました。


2014年9月4日木曜日

プラネタリウム 投影

ついにドーム製作は前日の組立作業を残すだけとなりました。
大きな作業は終わったものの、当日を迎えるまでにはまだやることが、
たくさん残っている状態です。

去年よりひとまわり成長した天文部の姿を披露できるよう頑張ります。
一般公開(要・招待券)は9月13日(土)。

連日、製作作業が続いていましたが、昨日はプラネタリウムの投影を行い、
実際どんなふう見えるのかを部員全員で確認しました。

部屋の中が完全には暗くならなかったので、当日よりは明るい中での
投影になりましたが、部屋中に星をばらまいたような光景に、
感嘆の声が上がりました。

ピンホール式なので投影機から距離があると星像が広がってしまいますが、
それでも一面に無数の星がきらめく様子は一見の価値あり。
試しに白い板を投影機のすぐそばまで近づけてみると、
星像がシャープになり、息を呑むような星空が。
当日の投影でも白い板を持ち込んでおこうかという話も出ています。

<本日の一枚>
スマホでもこんな写真が撮れました。


2014年9月1日月曜日

星の一生 始まりと終わり

合宿記録 その5

今回は、合宿両日を通して撮れたハイライト写真をご紹介。


画面中央、ペルセウス座の二重星団h-x(エイチ・カイ)。
ペルセウス座の有名な散開星団。
その存在は古くから知られており、
古代ギリシアの天文学者ヒッパルコスによって記録されています。

散開星団は同じ分子雲から生まれた若い星の集団で、
高温で明るい星を多く含んでいます。



画面中央やや左のぼやっとした星雲がM27亜鈴状星雲。
鉄アレイによく似た見た目からこの呼び名がある惑星状星雲。

先ほどの散開星団とはうってかわって、惑星状星雲は星の最後の姿。
星の一生は質量によって変わりますが、
太陽ほどの大きさの星は外側のガスを噴き出し、惑星状星雲となります。
その後、ガスがなくなると中心部が残って白色矮星となります。




次は、すでにご紹介したアンドロメダ銀河。
この銀河は約230万光年も離れた場所に位置する渦巻銀河ですが、
アンドロメダ銀河と私たちの地球がある天の川銀河は徐々に
接近しており約40億年後には衝突し、徐々に融合していくといわれています。



最後にご紹介するのは、ジャック彗星。
合宿のしめくくりは、ソラの旅人、彗星との出会いでした。
合宿の時には明け方のぎょしゃ座に見えたジャック彗星は、
現在、ケフェウス座のあたりにあります。