2014年8月28日木曜日

ドーム制作進捗状況

ここ数回の活動はひたすらダンボールドームのパーツ切り出し。
寸法通りに図面を引いて、切る。
単純な作業ながらも、細かなずれに苦戦しながら、進めてきました。
そしてついにドームの全パーツの切り出しが終了。

上部パーツは両面、クラフトのダンボールなので、
投影面になる内側を水性ペンキで白に重ね塗り。
12枚あるパーツをぴったりとくっつくように慎重にテープで固定。
内側も白のテープで補強して、ドーム上部がついに完成!

<data>
上部パーツ…3mm厚、両面クラフトの板ダンボール使用
下部パーツ…5mm厚、片面白色板ダンボール使用

<本日の一枚>

2014年8月14日木曜日

ペルセウス座流星群終夜観測 2014/7/13

本校屋上にて終夜観測を実施しました。
去年のペルセウス座流星群は好条件に恵まれましたが、
今年は観測開始の8時ころからすでに雲が多く、
あまり星座も確認できない状態でした。

雲の隙間から、こと座やわし座が見え隠れ。
本来なら、流星観測の大敵なはずの月でさえ、
その姿が見えると、にわかに盛り上がり、
望遠鏡や双眼鏡を向けるのでした。

深夜になっても雲は晴れず、
シートをひいた屋上に仰向けになり、
見上げた空は雲の流れが見えるばかり。

結局、朝まで流星群が見えるほどの晴れ間はなく、
終夜観測のかいなく、流星を見ることはできませんでしたが、
時にはこういうこともあるもの。

見えないからこそ、見たいと願い、
こういう時があるからこそ、星のきらめく夜に、
一層その輝きが美しく見えるのでしょう。

<本日の一枚>

2014年8月12日火曜日

ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう【比較編】

7月21日から26日にかけて行われたひので衛星の共同観測期間に
芥川高校天文部も黒点の観測を行いました。
当日の様子は「ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう 2014/7/24」で紹介しています。

7月24日に行った観測で撮影した太陽の画像は、
「7月24日の黒点観測追加情報」にアップしてあります。

合宿をはさんでしばらく期間があいてしまいましたが、
本日の活動でひので衛星のX線画像と芥川高校天文部の黒点写真の比較を行いました。

まずひので衛星のX線画像がこちら。
 













X線(ひので/X線望遠鏡)『国立天文台/JAXA 提供』


次に芥川高校天文部の黒点写真がこちら。
07/24/14/14:05 撮影。














今回はPhotoshop touchを利用して、70%程度に透過した黒点写真を
ひので衛星のX線画像に重ねる方法で2つの画像を比較しました。

まず2つの写真をそれぞれ別のレイヤーに読み込み、
黒点写真の背景部分を選択削除。
黒点写真の透過率を70%にして、下層レイヤーのX線画像が見えるように。
この状態で太陽の大きさをそろえて、黒点写真を回転させて、
向きを揃えます。最後に、黒点写真の見え方を微調整して終了。

初めて使うツールだったので本日参加していた部員がそれぞれ、
操作を練習して、最終的にできたのがこちらの画像。
 
<この画像から読み取れたこと>
X線画像で一番大きな反応が見られる部分は黒点写真の最大の黒点と一致。
その下に2つも黒点写真の黒点群との一致が見られる。
X線画像中央部の黒い部分は黒点写真では特に変化なし。
X線画像では右下に2つ大きな反応が見られるが、
黒点写真で判別できる黒点は1つだけ。外側のものと場所は一致している。
全体として、黒点写真はひので衛星の画像よりも1時間ほど遅れて撮影しているので、
その分、東から西への移動が見られる。


最後に基本に立ち返って、黒点相対数を計算。















黒点群4、黒点数(左上から4、3、2、1、計10)
黒点相対数R=k(4*10+10)=50


これにて本日の活動終了。
芥川高校天文部の活動は観測というよりは観望会よりなことが多いので、
こうした活動に参加することで少しずつスキルを高めていければと思います。









2014年8月11日月曜日

そして夜は明ける

合宿記録 その4

春の星座のうしかい座から冬のおうし座まで、
一晩で季節を一巡りした合宿一日目もいよいよ夜明け。
少しずつ青みを帯びていく空。
冬の星座の代表格オリオン座も姿を見せ始めます。









冬の狩人はまだ微睡の中、横になった姿で現れます。
写真真ん中あたりに縦に並ぶ三つ星が特徴的。









おうし座を縦断する人工衛星。
左上にはすばる、左下にはヒアデス星団も見えます。
人工衛星は飛行機のようにそれ自体が光を放っているわけではなく、
太陽の光を反射して輝くので、日没後や日の出前に見えます。


 
最後に登場したのが明けの明星こと金星。
地球よりも内側を公転する内惑星の金星は、
明け方か夕刻のみ見ることができます。
これからしばらくは夜明け前の東の空に現れます。

天文部の長い夜もこれにて終幕。
朝日が差してくる中、機材を撤収し、
太陽の目覚めと交代に眠りへと。






2014年8月10日日曜日

巡りゆくソラ

合宿記録 その3

夜空をずっと見上げていると、一足早く次の季節の星座に逢えます。
天頂に白鳥が羽ばたくころ、東の空にはペガススやアンドロメダの姿が。
秋の星空が一足早くやってきます。










アンドロメダ座といえば、M31ことアンドロメダ銀河。
写真中央部に写っている中心が明るく、
周りが少しぼやっとしているのが、アンドロメダ銀河です。
地球から約230万光年の距離に位置し、およそ1兆個の恒星からなる銀河。
つまり今、私たちがこうして見上げているあの光は230万年も昔のもの。
そう思うと、夜空を見上げるというのは壮大な時間の旅なのかもしれません。


一時間もすると冬の星座も顔を出し始めます。
写真の中央下部に見える星の集まりはおうし座のM45プレアデス星団。
清少納言の枕草子に「星はすばる」と書かれているのがこの星々です。
すばるとは「統ばる(=集まって1つになる)」から来ており、
その姿をよく表した名前です。












3時頃になるとぎょしゃ座も全体が見えてきます。
左上の明るい星がぎょしゃ座の一等星カペラ。
場所が分かっていないとわかりづらいのですが、
今、話題のジャック彗星も写っています。

上下の位置はカペラと同じくらいの高さ、
左右の位置は写真中央と右上の明るい星の間くらい。
写真を拡大表示して見ると、周りの星とは違う薄緑色をした
ジャック彗星が写っています。





2014年8月8日金曜日

7/31-8/1 流星

合宿記録 流星編


20:15 アルタイル
20:32 こぐま座
20:36 北斗七星
21:16 ケフェウス方面、南から北へ
21:18 北からベガへ
21:29 ヘルクレス座
22:18 はくちょう座ε
22:44 アルタイル南東
22:47 デネブあたり
23:15 アルビレオあたりアルタイルの方へ
23:18 デネブからアルビレオ方面、かなり明るい
23:21 はくちょう座、十字中央、アルビレオ方向
23:22 デネブあたり
23:25 デネブからアルタイル
23:29 はくちょう座
23:32 ペガスス座からカシオペヤ座
23:47 アルタイルからベガ
0:02 南側
0:06 はくちょうの西の翼、明るさ1等級相当
0:08 大三角の中、アルタイルからベガ方向
0:29 ペガスス座からカシオペヤ座、1等級相当
0:33 アンドロメダ座βからペガスス座γ方向
0:43 こぐま座
0:52 アルタイルのそば南から北へ
0:53 ペガスス座
1:51 ペガススの四辺形
1:54 ペガスス座、頭のあたり西から東へ
1:56 カシオペヤ
1:58 <本日の一枚>
2:00 ペガスス座の頭あたり
2:23 アンドロメダからペガスス座
2:28 デネブからペガスス座
2:33 ペガスス座
2:35 プレアデスからヒアデス
2:47 ペルセウス座

<本日の一枚>
1:58、流星が写りました。
よーく見ると写っているのがわかります。


23:25 

2014年8月6日水曜日

夜空の広さを感じて

合宿記録 その2

座って夜空を見上げる人、
望遠鏡をのぞきこんで遠い星の光を見つめる人、
仰向けになって夜空を眺める人。
みな、思い思いに夜の帳が下りた空を仰ぎ見る。

北には水をすくうように傾いた北斗七星。
東にははくちょう座が高く上り、
天頂近くまで昇ったこと座と天の川の対岸のわし座とともに
夜空に夏の大三角を描き出す。
西には仕事を終えて眠りつこうとするうしかい座。

夜空を見上げて天球に散りばめられた星々をつないでいく。
その営みは人類が遥か昔から繰り返してきたこと。
今から数千年も前にメソポタミアの羊飼いたちが同じように、
星々を見つめ、星と星を結び、星座を作ったという。
うしかい座はそんな星座の1つだという説もあるらしい。

夏の夜空の道しるべ、夏の大三角。それを織りなす一等星、
こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ。
それぞれの星座を形作る星々を辿っていく。
そうして星を眺めていると時折、夜空を駆け抜ける光が。
そのたびに、星を見上げる部員たちから歓声があがるのでした。

<本日の写真>
こと座。一番明るい星がベガ。
ベガの上に見える星はこと座ε(イプシロン)。
この星は写真でもわかる二重星。
でも望遠鏡で見るとそれぞれが二重星になっています。
呼び名はこと座の「ダブル・ダブル・スター」。









上に見える明るい星がベガ。
左下がデネブ、右下がアルタイル。
二日目に撮影した夏の大三角。

2014年8月5日火曜日

7月24日の黒点観測追加情報

「ひので衛星といっしょに太陽を観測しよう2014」の
共同観測期間のデータが公開されています。
http://hinode.nao.ac.jp/user/yaji/hinode/issho/#contact

芥川高校天文部は同期間中7月24日に黒点の写真撮影を実施しました。
当日の活動記録に撮影写真を1枚アップしましたが、
追加でいくつかアップしておきます。

<直焦点撮影>















同じく直焦点撮影。余白を除いてトリミング。













<間接焦点撮影>
一番目立つ黒点の辺りを撮影。




2014年8月4日月曜日

晴れぬ雲はないと信じて

合宿記録 その1

芥川高校天文部は7月30日から2泊3日の初合宿を実施しました。
27日に新月になったばかりで、月明かりの影響が少なく、
8月のペルセウス座流星群に比べると知名度は劣るものの、
2つの流星群が極大を迎えるということでこの日取りにしました。

この時期なら梅雨もあけて、京都とはいえ、いつもの市内の光害に
さらされる学校よりは暗い空の下で、星を見ることができるはず。
…そのはずだったのですが、到着してみると現地は曇り空。

とはいえ、天色は移りゆくもの。あきらめずに観測場所を下見に。
いくつかある広場を回って、周囲の視界、光源、足場などを確認。
その途中、ついにぽつり、ぽつりと。

一度、テントに戻り、機材の準備をして、入浴と夕食のため管理棟へ。
食事を終え、観測の打ち合わせを終えるころには雨はすっかり上がり、
雲も晴れ間が見え始めていました。

暗くなりきらないうちに機材を運び、観測の体制を整えるために移動開始。
広場にレジャーシートを広げ、双眼鏡やカメラ、小型望遠鏡をセッティング。
観測を始めるころにはまだ雲が広がっていましたが、
晴れ間から星座を探しているうちに次第に、全天の様子が見えるように。
合宿の長い夜はまだまだ始まったばかり、
あちこちに見え始めた星々に心が弾むのでした。

<本日の写真>

雲がかかった夏の大三角









しばらくすると空が晴れてきて。

沈みゆくうしかい座とかんむり座。
木々の間に隠れる寸前の明るい星がアルクトゥールス。


ダンボールドーム制作開始 2014/08/04

7月30日から2泊3日の初合宿を無事終えて、
さっそく今日の活動から文化祭準備再開です。
合宿の様子は何度かに分けてご紹介していきます。

今日は、いよいよダンボールドームの制作に取りかかりました。
まず天頂に近い部分のパーツを図面通りに切り出していきます。
小さなずれでも積み重なれば完成品の精度に影響が出かねないので、
作図から慎重に作業を進めていきます。
暑い教室と慣れない作業に苦戦しながらも、すべてに線を引き終え、
今度はずれないように注意しながらの切り出し作業。

その作業と並行して、星図パネルを設置するための土台作りも開始。
こちらは去年の図面を参考に手元にあるサイズのダンボールから、
どう切り出せば効率的に作ることができるかを考えるところからのスタート。
定規の長さをはるかに超える長辺をいかにゆがみなく作図するかに
頭を悩ませながら、なんとか作業を進めていきました。

最後は、合宿中の写真からピックアップしたものを見ながら、
星座や明るい恒星、星団・星雲の確認をしました。

次回の作業は
・ダンボールドームの下部の作図・切り出し
・天頂部の作図・切り出し(あと1枚)と片面の白塗り
・星図パネルの土台の作図・切り出し

<本日の一枚>